日本酒「作(ざく)」を飲んでみた|三重が生んだ透明感の秘密と選び方

本記事の情報は2026年6月時点のものです。

「伊勢志摩サミットで世界の首脳が飲んだお酒、どんな味なんだろう?」

そう思って調べ始めると、ほぼ必ず行き着くのがこの銘柄なんですね。三重県鈴鹿市・清水清三郎商店が醸す「作(ざく)」。名前のインパクトに最初は少し笑ってしまいましたが、実際に口にしたとき、その透明感のある香りに「あ、これは本物だ」と思わずグラスを傾け直した記憶があります。

伊勢志摩サミットで世界の首脳が飲んだお酒
銘柄: 作 智(さとり) 純米大吟醸(清水清三郎商店 / 三重県鈴鹿市)
特徴: 三重県産の山田錦を40%まで磨き上げ、丁寧に醸された同シリーズの最高峰です。クリアで華やかな香りと、洗練された美しい透明感が世界各国のVIPから高く評価されました。

私が今回選んだのは「穂の智(ほのとも)」という純米酒です。
キンキンに冷やして冷酒で味わいました、キレと余韻があり、またフルーティーな微香が感じられファンになりそうです。


うーん…旨い酒ばかりで…正直迷う(笑)

「作」の智(とも)シリーズ一覧(因みに)

  • 穂乃智(ほのとも) 純米酒
    • 特徴: お米のふくよかな旨味と、ほんのり香るフルーティーさが絶妙なバランスです。筆者のおすすめは冷酒。ぬる燗はどうかな?お料理にそっと寄り添ってくれる「究極の食中酒」です。
  • 玄乃智(げんのとも) 純米酒
    • 特徴: 爽やかな酸味ときりっとしたキレの良さが特徴です。甘さは控えめで、みずみずしい青リンゴのような香りがあり、すっきり飲みたいときに向いています。
  • 奏乃智(かなでのとも) 純米吟醸
    • 特徴: 華やかでフルーティーな香りが心地よく広がる、非常に洗練された味わいです。ワイングラスで香りを楽しみながら飲むのにもぴったりです。
  • 雅乃智(みやびのとも) 純米吟醸
    • 特徴: シリーズのなかでも特に華やかで上品な香りと、絹のように滑らかな口当たりが特徴の、満足度の高い一本です。

💡 名前の由来 智シリーズの「智(とも)」は、清水清三郎商店の杜氏(とうじ:お酒造りの責任者)である内山 智広(うちやま ともひろ)さんの名前にちなんで付けられています。名杜氏の技とこだわりが詰まった、まさに蔵を代表するシリーズなんですね。

この記事では、定番の基本情報にとどまらず、競合記事があまり触れていない「生酒を作らない理由」や「インプレッション誕生の裏側」、そして2025〜2026年の最新受賞情報まで掘り下げていきます。

初めて「作」を飲む方も、もっと深く知りたい方も、ぜひ最後までお付き合いください。


純米でフルーティーだが、しっかり日本酒感があり旨い!から飲んでみて。
値段は地元のスーペーで2,380円だった。(プレミアムがついてるのかな?ちょい高め)

目次

「作(ざく)」ってどんな日本酒?

蔵の歴史と「作」誕生の経緯

清水清三郎商店の創業は明治2年(1869年)。鈴鹿サーキットで知られる三重県鈴鹿市に蔵を構え、長らく「喜代娘(きよむすめ)」という銘柄を醸してきた老舗です。

転機が訪れたのは1996年のこと。能登や丹波篠山から呼んでいた杜氏たちが高齢化を理由に一度に引退してしまったんです。「このままではダメだ」…そう感じた清水社長が、地元・鈴鹿出身の若い杜氏・内山智宏氏(当時25歳)を抜擢し、新ブランドの開発に着手します。

そして2000年、「作」が誕生したということです。

名前の由来と「ガンダム現象」

「作(ざく)」という名前には、「飲む人も、提供する人も、出会った皆でお酒の価値を作り上げる」 というコンセプトが込められています。「作る」と書いて「ざく」と読ませる、その発想だけでも清水社長のセンスが光りますよね。

ただ、この銘柄が最初に話題になったルートがまた面白い。国民的アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツ「ザク」と同じ読みということで、ガンダムファンの間で「ザクという日本酒があるらしい」と口コミが広がったんです。落語家・漫画家の雷門獅篭氏が自身の漫画で紹介したことも火付け役になりました。

清水社長本人は「ガンダムはほとんど知らなかった」と明かしていますが、結果的にアニメファンという新しい層を日本酒の世界に引き込む起爆剤になったわけです。なんとも皮肉というか、痛快というか。


「作」が「透明感」にこだわる理由

生酒を一本も作らないという決断

実はここが、私が最も「作」という蔵を好きになった理由なんですが…内山杜氏は、市場で人気の「無濾過生原酒」を頑なに断っていると言うんです。

どんなに出荷管理を徹底しても、生酒は流通の過程で意図せず劣化するリスクがある。「自分の手を離れたあとの品質まで責任を持てないお酒は出したくない」という一念から、すべての「作」は加熱殺菌(火入れ)して出荷されています。

これは相当な決断ですよ。生酒は今も根強い人気があり、売上的には美味しいはずです。でも内山杜氏と清水社長は、「飲む人のグラスに届いたときの品質」を最優先にした。その哲学が、透明感のある安定した味わいを支えているんですね。

「インプレッション」シリーズ誕生の背景

では生酒のフレッシュさは諦めたのか? それが違うんです。

「火入れをしながらも、生原酒のフレッシュさを出せないか」…この命題に蔵が向き合い続けた結果、生まれたのが「作 インプレッション」シリーズです。微炭酸が口中を心地よく刺激し、通常の火入れ酒とは一線を画すフレッシュな香りと透明感を実現しました。

初めて「インプレッション type-N(雅乃智の直汲みバージョン)」を飲んだ人が「えっ、これ本当に火入れ?」と驚くというエピソードは、愛好家の間では定番の話になっています。私も初めて試したとき、グラスに鼻を近づけた瞬間の爽やかさに「なるほど、これが目指していた境地か」と思わず一人で納得してしまいました。


受賞歴と2024〜2026年の最新評価

「作」は国内外のコンクールで数々の賞を重ねてきた、いわば「記録を作り続けている銘柄」です。

主な受賞歴

受賞内容
2016年G7伊勢志摩サミット 公式乾杯酒に選定
2017年SAKE COMPETITION 純米酒部門 1位・2位独占
2018年SAKE COMPETITION 純米吟醸酒部門 1位
2019年SAKE COMPETITION 純米大吟醸酒部門 1位
2020年KURA MASTER プラチナ賞
2024年全国新酒鑑評会(令和5酒造年度)金賞(4年連続)
2024年ワイングラスでおいしい日本酒アワード プレミアム純米部門 最高金賞(「MONAD」「穂乃智」)

SAKE COMPETITIONで純米・純米吟醸・純米大吟醸の3部門を制覇するという快挙は業界初。しかも手ごろな価格帯のレギュラーシリーズで受賞しているという事実が、この蔵のすごさを物語っていますよね。

「高いお酒が良いのは当たり前」なのではなく、日常の価格帯でもトップに立てる品質を追求しているわけです。


ラインナップ別の特徴と選び方

「作」には大きく分けて3つのカテゴリがあります。どれを選べばいいかわからない方は、この分類を目安にどうぞ。

【入門編】レギュラーシリーズ|まずはここから

定番ラインは「智(さとり)の系列」として命名されているのが特徴。すべてに「〜乃智」「〜の智」という共通の文字が入っています。

穂乃智(ほのとも)純米酒
価格帯:750ml 約1,980円〜2,600円前後
「作」入門として最もおすすめの一本。純米酒なのに雑味がなく、すっきりした透明感が際立っています。熱燗にしても美味しく飲める懐の深さがあります。「日本酒はちょっと苦手で…」という友人に出したら、「これなら飲める!」と言ってもらえた経験があります。

恵乃智(めぐみのとも)純米吟醸
価格帯:750ml 約2,200円前後
レギュラーシリーズの中でも最もコスパ最強との声が多い一本。爽やかな吟醸香と食中酒としての使いやすさを兼ね備えています。精米歩合60%という丁寧な仕上がりながら、日常的に手が届く価格帯なんですね。

奏乃智(かなでのとも)純米吟醸
エレガントな香りとやわらかい甘み。「恵乃智よりもう少し華やかなものが飲みたい」という方への次のステップに最適です。

【中級編】雅乃智シリーズ|特別な夜に

雅乃智(みやびのとも)純米吟醸
価格帯:750ml 約2,750円前後
「作」の中でも人気ナンバーワンに挙げられることが多い銘柄。ジューシーで華やかな香りが印象的で、ワイングラスで飲むとその良さがさらに引き立ちます。

雅乃智 中取り 純米大吟醸
価格帯:750ml 約3,300円前後
もろみの一番良い部分だけを丁寧に取り出した「中取り」。雅乃智の良さをさらに凝縮したような一本です。ここまで来ると、ちょっとした記念日や特別なプレゼントにもなりますよね。

【上級編】特選・限定シリーズ|本気の一本を求めるなら

槐山一滴水(かいざんいってきすい)純米大吟醸
伊勢平野で育った山田錦を使用した、フラッグシップに近い存在。専用ギフト箱付きで贈り物にも最適。「一滴水」という名前の通り、一滴一滴が丁寧に集められた繊細な味わいです。

筰(ざく)クラウン 杜氏特撰秘蔵酒
全国新酒鑑評会 4年連続金賞を受賞している「作」の最高峰ライン。内山杜氏が技術と経験のすべてを注ぎ込んだ数量限定品で、年に一度しか出会えない希少な一本です。

作 インプレッション シリーズ
前述の通り、火入れながら生原酒のフレッシュさを追求した革新的なライン。Type-Gはフルーティーな甘みが特徴で、Type-Mはより辛口寄り。酒屋の特約店限定での販売が多く、見つけたら即確保が鉄則です。


季節限定酒も要チェック

「作」は通年ラインナップに加えて、季節ごとの限定酒も人気を集めています。

  • しぼりたて新酒(12〜1月):毎年冬に登場する純米大吟醸の新酒。フレッシュで若々しい味わいが魅力です。
  • ひやおろし(9月):春に仕込み、夏を越えてまろやかに熟成した秋の味覚。「作らしい透明感」と「秋の丸み」が両立した季節の逸品。
  • 米違いシリーズ(通年〜春):「愛山」「神の穂」など希少な酒米を使った数量限定酒。愛山を使った純米吟醸は、入手困難ながらコスパが評判になりました。

これらは入荷と同時に売り切れることも多いので、好きな特約店のメールマガジン登録や SNS フォローが有効な手立てですよ。


どこで買えるの?入手方法の現実

「作」が入手困難な理由のひとつは、特約店制度にあります。蔵から直接販売許可を受けた酒屋でしか正規価格での購入ができない仕組みです。

特約店での購入が断然おすすめ

なぜかというと、日本酒は温度管理が命。蔵から適切な管理の下で流通しているかどうかが、品質に直結するんです。転売サイトや一般のネット通販で高額転売された「作」は、流通経路や保管状態が不明なことが多い。せっかく買うなら、正規ルートで適正価格のものを選びたいですよね。

三重県内や東海地方に特約店が多いですが、全国に展開している正規ネット特約店もあります。「べんのや」「佐野屋 地酒.com」などが有名です。

転売に注意

定価の目安として、「恵乃智 750ml」が2,200円前後、「雅乃智 中取り 750ml」が3,300円前後です。これより著しく高い価格のものは転売品の可能性が高い。特に「インプレッション」や「クラウン」など希少品種は転売価格が跳ね上がりやすいので注意しましょう。


「作」の飲み方と合う料理

飲み方のコツ

「作」はほぼ全シリーズ、冷やして飲むのがベストです。8〜12℃くらいに冷やし、ワイングラスか白ワイングラス型の酒器に注ぐと、香りが開いて本来の良さが引き立ちます。

穂乃智だけは例外で、燗酒(45〜50℃)にしても美味しさが崩れない稀有な存在。日本酒を熱燗でしか飲まないというご年配の方にも、自信を持って勧められます。

合う料理

透明感のある「作」の味わいは、食中酒として非常に優秀です。

  • 恵乃智・穂乃智:刺身、白身魚の塩焼き、出汁の効いた和食全般
  • 雅乃智:ホタテのバター焼き、クリーム系のパスタ、チーズ
  • 槐山一滴水・クラウン:フォアグラ、牡蠣、甘えびなど濃厚な素材

ワイン的な感覚でフレンチやイタリアンに合わせるのも、「作」ならではの楽しみ方です。


FAQ|よくある疑問に答えます

Q1. 「作」はガンダムの「ザク」と関係あるの?
公式には無関係です。蔵元の清水社長も「ガンダムはほとんど知らなかった」と語っています。名前の由来は「飲む人も含め皆でお酒の価値を作る」というコンセプトから。ただ結果的にガンダムファンが広めてくれたことは認めており、「出会いの妙」と感じているようです。

Q2. 初心者はどのシリーズから飲めばいい?
「穂乃智 純米酒」か「恵乃智 純米吟醸」がベストな入口です。価格も2,000円前後で手が届きやすく、「作」の透明感を一番素直に感じられます。

Q3. 「生酒」の「作」はないの?
意図的に作っていません。内山杜氏の哲学として「お客さんの手に届いたときの品質まで責任を持てない生酒は出さない」という方針があります。その代替として生まれたのが「インプレッション」シリーズです。

Q4. 定価より高い「作」は買わないほうがいい?
はい、転売品の可能性が高いです。正規特約店リストを確認し、適正価格での購入を強くおすすめします。蔵の公式サイトや特約店ネットショップから探すのが確実です。

Q5. 開栓後はどのくらい持つ?
一般的に開栓後は冷蔵保存で1〜2週間以内を目安に。「インプレッション」は微炭酸が抜けやすいため、開栓翌日〜3日以内が最も美味しい飲み頃です。私は1本を2日で飲みきるようにしていますが、3日目に少し落ち着いた味わいになるのも、それはそれで面白い変化なんですよね。


まとめ

「作(ざく)」は、「ガンダムと同じ名前のお酒」という入口から入っても、「サミットで乾杯酒に選ばれた銘酒」として知っても、最終的にはその味わいそのものが人を引きつける一本です。

生酒を作らないという哲学、タンク2本から50本への歩み、内山杜氏の手が生み出す透明感…こうした背景を知ってから飲むと、グラスの中の透き通った液体が少し違って見えてくるはずです。

「まずは穂乃智か恵乃智から」…迷ったらぜひそこからスタートしてみてください。きっとその透明感が、あなたの「日本酒観」を少し変えてくれると思いますよ。


免責事項
掲載している情報は、公式サイト・各種メディア報道・特約店情報・日本酒専門メディア(SAKETIMES等)をもとに構成しています。内容の正確性・完全性を保証するものではなく、情報は執筆時点のものです。価格・ラインナップ・受賞歴等はその後変更・更新されている可能性があります。また、本記事は特定の個人・企業を誹謗中傷する意図はなく、公開情報をもとに中立的な立場で執筆しています。お酒は20歳になってから。飲酒運転は絶対にやめましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次